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ひとり親家庭の子どものために

レインボウプログラム

パン作り体験

 

親の離婚や離別などによる家族の変化は、家族の全員に大きな影響をもたらします。大人が自分たちの問題に精一杯であるあいだは、同じように傷ついている子どもたちの気持ちを十分にくみ取ることができません。子どもたちは親と同じように深く悲しみますが、状況について理解できないまま、これまでと違った大人の様子に不安や混乱した気持ちを感じながらその気持ちを表現できないと、心や行動の問題として表すことが多くなります。子どもたちが家族の変化を受け容れ、自信をもって新しい生活に踏み出していくためには、子ども自身の力だけではなく、日常的なサポートとともに心のケアが必要です。

レインボウは、同じような体験をした子どもたちが、ファシリテーターによって安全を保障された場で、仲間と一緒に喪失にともなう感情を共有しながら、それをのりこえ、自己肯定感を高めて新しい歩みを進めていくための「ピア(仲間)サポート・プログラム」です。

 

レインボウプログラム(RP)の創始者スージーY.マルタは自身が離婚してひとり親になったた経験から、家族の変化によって苦しんでいる子どもや親を支援するために多くの専門家たちの協力を得てRPをつくりました。

 

プログラムの目的

すべての子どもは、かけがえのない個性をもって生まれてきます。その子どもたちが伸びやかに育つために必要なものは、一人ひとりが大切にされ自分自身への信頼感や、自尊感情をもてる安心な環境です。安心の拠りどころを喪失すると子どもの心は揺らぎ不安定になってしまいます。このような喪失体験が、心の成長期にある子どもたちの将来に長く影響をもたらすことがないように心のケアが必要なのです。

 

レインボウの目的

子どもたちが喪失を癒し、新しい変化を受け容れ、自尊感情を高めて 自らの力で前向きに生きる姿勢を身につけることです。 

そして、「現在」の心のケアとともに、「将来」さまざまな心や行動の問題を引き起こすことがないように予防することです。

 

 *守られた環境のもとで、仲間と共に喪失体験にともなう感情を表す

 *喪失体験について年齢に相応しい理解をする

 *感情の適切な表現のしかたを学ぶ

 *グループ体験を通して、子ども自身のもつ力を自覚できるようにする

 *仲間意識、帰属意識を深める

 

 

 

 

 

 

 

 

(シングル・シンフォニー スージー著より)

 

期待される効果

レインボウプログラムは、喪失体験をかかえる子どもたちに関する心理学や精神医学などの理論に基づき、悲嘆のプロセスにそって構成されています。ファシリテーター(専門家でも専門家以外でも)は、しっかりした枠組みのもとで、子どもたちがそれぞれの歩み方で喪失を癒し、自分たちの人生の立て直しをするサポートをしていきます。したがって、カウンセリングやセラピーではありませんが結果的に、同じような心理援助的な効果があらわれやすいといえるでしょう。

 

*同じ体験をもつ仲間たちとの実践を通して、自分の感情に気づき正しくコントールする力を養う

*自己不全感や劣等感から立ち直り、自尊心や自己肯定感、人間関係能力、自立する力など健康に生きる力を養う

*被虐待児が思春期になり、いじめや逸脱行動を起こすのを防止する

*被虐待児が親になったとき、自分の子どもへの虐待を繰り返さないように健康な親性を養う

*ファシリテーター自身もまた、このプログラムを通して自己洞察を深め援助者としての資質を高める

 

 

 

プログラムの実際

内容

決められたテーマに沿って、継続的にセッション(グループ・ミーティング)を実施

成長段階に応じたジャーナルを使用して話合いやグループワークを行う

ここで話されたことは「ここだけの話」として参加者の「安全な場」を保障しながら、参加者の人権と守秘義務を大切にする

 

対象

レインボウの参加者は、離婚や死別など家族の喪失のほか、さまざまな辛い体験をかかえている子どもたち(専門機関にかかるほどではない)

参加した子どもが専門的な治療を必要としている場合には、コーディネーターに

相談して適切な治療が受けられるように手配する

 

回数

グループ・ミーティングは全12回、毎週行い、6週間ずつ、2つのパートから成っている。個々のパートの終わりは、私をお祝する日(3~4時間)。お祝の日は、飲み物等を準備し楽しい会にする

 

人数

小・中学生 3~6人。 グループに大人のファシリテーター1名が付添う

 

時間

1回のミーティングの長さは、30分~60分を目安として、子どもたちの年齢やサイトの事情など状況に応じた最もよい長さを決めて、毎回同じ時間割で行う

 

場所 

できるだけ同じ会場で行う。(個人ではなく、公共の施設)

                         

サポート・グループは、子どもの年齢や喪失体験の内容や状況などにもとづいて編成されます。

グループ・ミーティングでは、参加者一人に1冊ずつ与えられるジャーナル(心のノート)や、テーマと関連する絵本などをつかって、仲間と一緒に話し合ったり、アクテビティ(目的のあるあそび)をたのしみながら、それぞれのペースで自分の心に出会い、自分の気持ちをことばにすることを促進していきます。

*身の上に起こったことを振り返り、絵やゲームによって体験を表現する機会を設ける

*現実を受け容れて、前向きに生きるとはどういうことなのか、理解できるように助ける

*感情について理解し、適切な表現方法を身に付けることを手伝う

*子どもたちの仲間意識を育てる

 

 ファシリテーター

グループ・ミーテイングに付き添い、安全で安心な場をつくり、よい聴き手となり、子どもたちが喪失に伴う感情を表現することができるようにサポートする重要な大人のボランティアです。

ファシリテーターは、子ども家庭リソースセンターの開催する『ファシリテーター・トレーニング』を受講し、レインボウ・コーディネーターと協力して活動します。

 

 

参加者の感想

 

プログラムの終了時に行っているアンケート調査の回答内容から、主な記述を抜粋したものです。

保育者の感想(子どもたちの変化)

感情や要求をことばで表現するようになった、仲間意識が育った、気持ちに余裕ができてきた、落ち着いてきた、表情が柔らかくなった、甘えるのが上手になった

 

ファシリテーターの感想

日本の子どもの厳しい現実に気がついた、活動終了後も手紙のやり取りなどをしている、問題を起こす子どもを見る目が変わった、癒された、里親になることにした、元気をもらった、可愛かった、楽しかった、子どもたちの人生の中で、つらい過去を整理できる機会になった

 

子どもたちの感想

とっても楽しかった、もう1回やりたい、気持を正直に言えるようになった、穏やかになった、考えることが多くなった、友だちを助けられるようになった、もう一度話をしたい、ファシリテーターさんに会えて楽しかった

ファシリテーター養成講座の実際

 

実施に際して必要な条件

・サイト(グループ・ミーティングを実施する場所)

・ファシリテーター(グループに付き添う大人のボランティア)

・コーディネーター(ファシリテーターの世話役、サイト責任者)など

 

ファシリテーターやコーディネーターの資格は、子ども家庭リソースセンターの開催する養成講座などを受講して取得できます。

 

★レインボウ・ファシリテーター(A)&コーディネーター(B)養成講座 ~喪失体験をかかえる子どもたちへの援助~   

(A):(定員)12名   (受講料)10,000円   (テキスト)5,000円

(B):(定員)12名   (受講料) 5,000円   (テキスト)2,000円

    

★出張養成講座

 プログラムを実施予定のあるサイト(実施先)の要望に応じて随時開催。実施先が未定の場合、受講希望者6名以上に対して随時開催(詳細はご相談ください)。

 

★入門講座、フォローアップ研修など

 随時開催

 

養成講座では、喪失をかかえる子どもの心を理解し、どのように援助したらよいのかなど、ケアの実際に役に立つ理論や技法について学びます。「心のケア」に関心をもつ多くの方々、ひとり親にかぎらず、子育て中の親、子育て家族支援に携わっている方々に学んでいただき日々の生活や仕事の場で活用していただきたいとおもいます。

認定ファシリテーターまでの流れ

資格取得

資格取得後は当センターのレインボウ会員として登録され、CFRCとの連携をとって活動していただけます。

活動中は担当コーディネーターがサポートします。

 

レインボウ・ファシリテーターの会

養成講座修了後のサポート体制の一環としてファシリテーター有志を中心に2015年に発足し、月1回定期的に開催されています。

日本の実情に適ったよい実践ができるようレインボウ研究をすすめながら試行的な実践にも取り組んでいます。現在、高校生版のレインボウ・ブリーフセッションの作成に向けて、児童養護施設と連携して活動しています。

 

テキスト紹介

*ファシリテーター・リスニング・モジュール(レインボウの理念と手法)

*ファシリテーター・コンポーネント・モジュール(レインボウ実践ガイド)

*コーディネーター・マニュアル

*レインボウ・ジャーナル(子ども用テキスト)

*レインボウ絵本(5冊セット)

シングル・シンフォニー(ひとり親のための心のガイド) スージー・Y・マルタ著
 

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